向善寺

牛頭山 向善寺
ごずさん こうぜんじ

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【所在地】

藤枝市天王町1-5-30

【開創】

寛文2年(1662)

【宗派】

曹洞宗 藤枝市 洞雲寺未

【本尊】

延命地蔵菩薩

【由緒縁起】

向善寺は県立藤枝束高のすぐ前にあり、通学する生徒を朝夕見守っているような寺である。その昔、ここには真言宗の大寺があったと伝えられているが詳しいことは不明である。寛永年間(1624~1643)全宗という禅僧が真言寺院の跡地に小庵を結び、地蔵菩薩と弘法大師の尊像を安置し、晨に香を夕に灯をあげ日々の勤行供養を怠らなかった。市部村の人々は全宗の信仰篤き真撃な姿にうたれ、全宗の念願であった新しい寺院開創に協力し、寛文2年(1662)本堂を建立した。そこで、洞雲寺6世大洲重撮を拝請して開山とし、泉陽山向善寺と名づけて開創された。
 寛政4年(1792)火災に遭い諸堂を焼失し、文化8年(1811)大安和尚の時、本堂を建立、安政2年(1855)嶺順和尚の代に庫裡を再建した。山号も「駿河記」(文政元年1818)には泉陽山と記されているが、後市部村に祀られている牛頭天皇の加護を願い「牛頭山」と改称された。
 明治17年卓成和尚は本堂を立派に再建し、28年には法地寺院に格を上げた。昭和の時代に入るとさらに寺運は興隆し特に戦後の安定した時代に入ると、住職と檀信徒の協力により次々に堂字を整えて行った。昭和43年位牌堂増築、昭和46年書院新築、昭和50年山門建立、昭和52年庫裡全面改築、昭和53年境内整備、地蔵堂改築、昭和54年白塀完成、昭和56年客殿泉湯閣新築、昭和59年庫裡増築、平成3年本堂増築を果たし、寺観が整えられた。

《旧市部延命地蔵堂》
向善寺の東の四辻にある延命地蔵堂は、宝永5年(1708)10月に造像された石の六地蔵が祀られてる。姿形が個性的で尊顔の上に人面が施されていたり、漆が塗られ、金箔が押されてあり、材質も地元産の石ではなく大変珍しい。前年に起きた富士山の噴火に伴って、天災の不安を消除するために建立されたのであろう。


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