薬師堂(九景結社)

放光山 薬師堂(九景結社)
ほうこうさん やくしどう(くけいけっしゃ)

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【所在地】

藤枝市志太3-15-17

【開創】

治承4年(1180)

【宗派】

浄土宗 鎮西派 藤枝市 西光寺末

【本尊】

薬師如来

【由緒縁起】

 寺伝によると九景結社は、平安末期の治承4年(1180)、源氏方の武将であった玄教が、修験道を修して金比羅山頂に一宇を建立したことに始まると言う。山頂の寺から眺める九つの佳景によって九景寺と称した。その九景とは、一当目秋月、二焼津帰帆、三益津落雁、四藤朶晴嵐、五鬼岩寺夕照、六富士暮雪、七清水晩鐘、八瀬戸川夜雨、九青木橋螢火の九つである。
 戦国時代には今川、武田、徳川の攻防戦の折には田中城の見張所となり、焼失したこともあったが、慶長18年(1613) 源水が再興した。『駿河記』 によると、その昔、この村に奇病が流行し、死者が多く出て困っていた。ある村人が、九景寺登り口の岩屋に入って一晩寝たら病が癒えると言う霊夢を見た。そこで病気になった村人達が岩屋で寝ると皆全快したとのことである。
 明治推新の廃仏毀釈により九景寺は一時廃寺になったが、昭和初期九景結社として再興された。現在の堂宇は土地の人々から「薬師堂」と称されて残っていて、背後の墓地に眠っている人々の霊を守り続けている。


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